仏足石

仏足石ぶっそくせき

  • 種別:史跡名勝天然記念物
  • 時代:江戸時代
  • 備考:建造物

明恵上人の釈迦信仰を伝える仏足石です。
仏足石とは、紀元前一世紀頃までの偶像崇拝が否定されていた時代に、釈迦の足跡をかたどり信仰の対象としたもので、明恵上人時代にも境内に安置されていたといわれています。

明恵上人

承安3年(1173)に生まれる。現在の和歌山県有田川町、湯浅氏の出身。華厳宗の中興の祖。神護寺の文覚について出家する。東大寺で華厳を学び、勧修寺の興然から密教の伝授を受けた。建永元年(1206)後鳥羽院より栂尾の地を賜り、高山寺を創建して華厳宗興隆の中心道場とした。寛喜4年(1232)に没する。

現在の仏足石は、江戸時代に模刻されたものと伝わり、その足跡には、吉兆を表す双魚紋、力を表す金剛杵、仏陀とその教え、悟りへの道を表す千輻輪宝などの紋様が刻まれています。

双魚紋

雌雄一対の魚を向かい合わせて描いた文様。子孫の繁栄を願う吉祥図案。

金剛杵

古代インドの武器に由来する,煩悩を打ち砕く菩提心を象徴する。

千輻輪宝

仏の足の裏にある、千の輻をもつ車輪の形の文様。仏の三十二相のひとつ。