篆隷万象名義

篆隷万象名義てんれいばんしょうめいぎ

  • 種別:国宝
  • 時代:平安時代

現存最古となる日本製辞書です。高山寺本が唯一の古写本であり、学術的にも極めて価値が高いといわれています。

『篆隷万象名義』(全6帖)は、中国古代を代表する辞書『玉篇』(全30巻)を簡潔に抜き書きしたものであり、大部な『玉篇』の利用に便宜をはかったものと考えられます。

玉篇

中国古代を代表する字書(全30巻、543年成立)。その写本は中国ではやくに失われ、日本にのみ伝わる。高山寺所有分は国宝に指定されている。

前半部である第1~4帖は、真言宗の開祖である空海が830年頃に編んだもので、後半部の第5・6帖は別人による続撰とみられます。一部分にとどまりますが上段に篆書の字体を示し、下段に隷書の字体を掲げることから「篆隷」と名付けられています。

真言宗

仏教宗派の一つ。高野山を開いた弘法大師空海を開祖とする。

空海

平安時代の僧。弘法大師。真言宗の開祖。当時の三筆の一人。(774〜835)

篆書

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